同じカットを何枚も写してしまった写真や、誰が何と言おうともアルバムにのこしたくない一枚など、プリントを整理してアルバムに収めていくときには、どうしても行き場のない写真が出てくるもの。特に家族や友人が写ったものは余計に捨てることを躊躇してしまうし、エコが叫ばれるこのご時世では捨てるという行為自体に罪悪感が伴う……。そうやってあれこれ気をもむのがイヤでついつい写真整理自体が億劫になってしまうことさえ。そんなときに駆け込みたい場所が岐阜県にありました。岐阜市の中心に社を構える金神社です。

「うちでは、平成14年から6月1日の「写真の日」に写真焼納祭を行っています。写真というものは思い出でもあり、夢でもあり、癒しでもある。だけど、中にはこれはのこしたくないっていう一枚だったり、不要な写真というのがあって、本当に皆さんその処分に困っておられるんです。だから、うちではそういう写真をちゃん御祓いして、御炊き上げをする。祭典の日には紙袋いっぱい持って来る方までおられますよ」と宮司の本郷啓介さん。捨てにくい写真だって神社で焼き納めてもらえるのなら安心できます。

ちなみに金神社は、子どもを育む母の神を祀る神社だそう。膨大に撮った子どもの写真を整理してアルバムを作ることの多いお母さんにとって、強い味方となる焼納祭を始めたのは、必然だったのかもしれません。何かをちゃんとのこすためには、時にそれ以外を捨ててしまうことだって必要。これからは、6月1日の写真の日に合わせて毎年写真を整理して処分する、と決めてしまうのもいいのではないでしょうか。

金神社(こがねじんじゃ)
岐阜県岐阜市金町5-3(TEL. 058-262-1316)