周りを見渡せば皆一様に画面を見ながらパシャリ。デジタルカメラ主流の今、もちろん便利なんだけど、久しぶりにフィルムカメラだって使いたい! そう思って電器屋さんに出かけても驚くほど選択肢が少ないことにびっくりします。そんななかで、知る人ぞ知る優秀なフィルムカメラがありました。それは「クリアショットS」。3年ほど前までは、ほとんど知られていなかったこのカメラ、その人気に火を付けたのは、実は一人の写真屋さんだったのです。

岩手県九戸郡で軽米写真館を営む大村一徳さん。一昨年の秋頃「うちはフィルムカメラを売っていこう」と決意し、いろいろ探した末にクリアショットを見つけて試しに一つだけ取り寄せてみました。
「使ってすぐ『これはとんでもない!』と。安いのに、ちゃんとオートフォーカスでフラッシュもあるし、上がりの写真は少しだけトイカメラ的な周辺光量落ちをして、すごくいい雰囲気。で、さらにすごいのが夜景モード。シャッター速度が四分の一になりフラッシュが焚かれるんですが、これがほんと優秀。僕はたまにそのフラッシュを指で隠してシャッター速度だけ活かした写真も撮ります」


逆光の光が美しい一枚。クリアショット愛用者にはこんな逆光ショットが多いとか。【拡大】

PRO800Z使用。夜景モード+フラッシュ隠しで暗いところでもしっかり撮れる。
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PRO800Z使用。夜景モードで場の空気をそのままに切り取ることが出来る。
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早速お店にも入荷。それから半年間どこへ行くにも持ち歩いて、撮った写真をお店のブログにアップ。ときにブログ上でカメラの機能の公開検証を行うこともありました。とうとう、最初に仕入れた商品は完売して、この時代にフィルムカメラの追加発注まで!

そうして、すっかりクリアショット大使になった大村さん。昨秋からはウェブ上でクリアショット写真コンテストもはじめました。
「うちが勝手に主催して(笑)。でも、自分では特に『発信している』とか大げさに捉えてなくて。ただ『僕はこれが好きです』って主張で、うちが持つ一つの個性なんですよ。それに共感してくれたお客さんがついてくれるのが嬉しいですね。うちは田舎だから、今もおじいちゃんが『フィルムカメラある?』って店に来ます。そんなときもクリアショットは『押すだけでいいから』って安心して勧められます。子どもだって使えますしね」


彩度が低いのが特徴的なフィルム、DNP400を使用。幻想的な雰囲気に。【拡大】

軽米写真館
岩手県九戸郡軽米町軽米 8-56-3(TEL. 0195-46-3337)
http://www.karumai.net/

クリアショットS
写真のことばを編集するRe:Sと富士フイルムでこんなパッケージを作りました! 撮った写真や未使用のフィルムなどを保存できる缶ケースに入っています。価格は5,980円(税込)。詳しくはフジフイルムモールへ。
http://fujifilmmall.jp/special/clearshot/